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ウインド・リバーのtoriten45のレビュー・感想・評価

ウインド・リバー(2017年製作の映画)
4.5
暗くて単調になりそうなストーリーなのに、ズシンと重いものが乗っかってくるような見応えのあるエンターテイメントに仕上がっていて何回再鑑賞しても満足しています。

極寒の地。辺りに家ひとつない荒野で発見された少女の死体はなぜか裸足。限られた手がかりから犯人を探るミステリーですが、知られざるアメリカ先住民が抱える現代社会の問題を露わにするドラマとも言えると思います。

舞台はインディアン居留地“ウィンドリバー”。ネット検索すると実在する地名で、人種差別や麻薬中毒、レイプなどが多く深刻な社会問題を抱えているのだそう。ネイティブアメリカンのアイデンティティや生きがいの喪失など、この土地を覆う閉塞感や陰鬱な感じがひしひしと感じられ、作品のダークな雰囲気をどんどん高めていきます。

殺された少女の捜査を担当するのが若い女性のFBI捜査官。不慣れな環境でも身一つで周りの男たちを力強く率いるところに魅力を感じました。

とりわけ彼女を上回るぐらい魅力を放っているのが、一緒に事件の手がかりを追う地元ハンターを演じるジェレミー・レナー。ずば抜けた追跡能力で冷静に犯人を追い詰め、圧倒的な強さを見せつける。

まーかっこいい。
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