湯っ子

奇跡の教室 受け継ぐ者たちへの湯っ子のレビュー・感想・評価

3.5
教師歴20年、ベテランの女性教師が落ちこぼれクラスを率いて「アウシュビッツ 若者と子供」というテーマの歴史コンクールに出場するお話。
「パリ20区、僕らのクラス」が中学三年生だったから、これはその翌年って感じかな。高校一年生のクラス。
歴史を学ぶこと、クラスで協力することで、子供たちが自信をつけていく様子は感動的ではあるけど、ちょっとうまいこといきすぎのような。実話なんだからと言われたら文句のつけようがないけどね。

「アウシュビッツ」についての授業や、生還者を招いて話を聴くところも興味深くはあったけど、それが「クラスをまとめるためのアイテム」にしかなってないような気がして、その悲劇の重さとのギャップを感じてしまった。
先生も、「アウシュビッツ」について教えるのなら、それを学ぶことで、世界中で今も起こっている戦争、紛争、内戦にも思いを馳せるように促す場面が欲しかった。多人種、多宗教の子供たちを相手に教えるのだから。

生徒たちの現在暮らす状況や、生徒たちが現在抱えてる問題のことももっと掘り下げて欲しかったな。先生も生徒たちもとても良いキャラクターなんだから、このクラスでのぶつかり合いから起こるヒューマンドラマをもっとじっくり見せて欲しかった。
良いところもたくさんあるけど、いろいろと物足りない映画だった。
湯っ子

湯っ子