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奇跡の教室 受け継ぐ者たちへのcanaのレビュー・感想・評価

3.5
久々のフランス映画。
いろんな人種の生徒が集まった、問題児ばかりの落ちこぼれクラスが、
担任教師の『アウシュビッツとこどもたち』について調べて発表する全国歴史コンクールに参加しないか、という提案により、徐々に変わっていく…という実話に基づく物語です。

最初の1時間くらい、とにかくホントにクラスの荒れ方がリアルで割といらいらする笑
ドキュメンタリーみたい。
だからこそ、後半の変わっていく姿もリアルに感じられました。

はじめは難解なテーマへどう取り組んだらわからず不満を言ったり、ふざけたりしている生徒たちが、強制収容所の生き残りであるレオン・ズィゲルさん(本人)から体験談を直接聞いたことをきっかけに、意識が少しずつ変わっていきます。

このシーンは私も思わず話に聞き入ってしまいました。
昔原爆ドームで被爆した方の話を聞いたときのことを思い出した。
自然と涙を流す生徒たちの姿は、多分演技じゃなかったのかなと思います。

残酷すぎるエピソードの後、
「辛い収容所生活の中で支えとなったことはなんだったのか?」という生徒の質問に対しての彼の答えが、フィクションであれば絶対に出ない内容で驚きました。
『なんとなく知っていた歴史』が『自分にとって身近なこと』に変わる、自然で重要なシーンでした。

若い時に『学ぶ』ということがなぜ大事なのかということをわかりやすく伝えている映画。
このクラス自体が世界の縮図になっている気がしました。

自分で学んで、知って、やり遂げる、ということは人生を変えるんだなぁ。
自分の勉強不足を感じました…(._.)反省

生徒たちはみんな個性的だったけど、強気ギャルの女の子と、一言も話さないオタク男子がとくに印象的でした。

ハリウッド映画のように派手で感動的な演出はないけど、それが逆に良かったと思う。
多少伝わりにくいのもフランス映画らしい笑
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