まさなつ

奇跡の教室 受け継ぐ者たちへのまさなつのレビュー・感想・評価

3.7
これだけ多人種、多民族、多宗教の生徒たちを、一つの教室の中で教えるなんて、とんでもなく大変だろうと思います。
この教室の中は、あたかも世界の縮図とも言えそうです。

そこで持ち上がったのが、全国歴史コンクールへの参加。「ホロコースト」という、かなり高次なテーマにしたのが良かったのかもしれない。それは、人種や宗教を超えた、人間の尊厳にかかわることだから。

ジェノサイドとは何か?身近で起こった、また今も起こっている虐殺行為の、あれはそうで、あれは違う、、?
なぜ過去を学ぶのか、そこに現在に通じる何かがあるから。
自分も生徒たちと一緒に学んでる感じです。

途中で強制収容所の生き証人の方との対話があり、そこから生徒たちは加速していく。今も残る収容所で押された腕の烙印。やはり生の姿や声のインパクトは凄い。
日本でも戦争体験者の生の声を聴ける時間はあまり残されていない。

そこからは、結構あっさりと描かれているけれど、結果に重きを置いてるわけではなく、やはりそこに至る経緯が大事ということだろう。いろいろ考えさせられる作品でした。

それにしても、20年間教師をやってて、『教えるのが好き』と言い切れる先生が、どれだけいるんだろうか?
まさなつ

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