結局カレー

帝一の國の結局カレーのレビュー・感想・評価

帝一の國(2017年製作の映画)
3.4
政治につきものの派閥や票取り争いを学園に落とし込んだコメディ作。総理大臣になる夢の足がけとして命を賭けても勝ち取りたい名門・海帝高校の生徒会長の座。親に言われたその日から自分を奮い立たせトップを目指す帝一。上にいくために必要なものは圧倒的な勝利ではなく、時に戦に負けて勝負に勝つことも必要だと学び、犬になることも厭わず駆け回る男の野望の物語。

コメディなんだけど実際の政治の本質をつく面白さ。選挙は投票日に入ってスタートするのではなく、学園(政界)へ入ったときがスタートで誰の味方となり誰を裏切るかで自分の進退を左右する。有能な右腕の存在にライバルとの足の引っ張り合い、人望をもつ第三勢力や揺れ動く民衆の意見、絶妙な政治ドラマだった。笑 マイムマイム事変も馬鹿げてるようで現実世界も意外とふざけてようが注目される人やモノが大きな支持に繋がったりするもんね。

帝一とパパのテストの答え合わせもう2人とも楽しくなっちゃってて笑った。あんなに懸命で一喜一憂して右往左往していた帝一が時を経て冷静に戦況をみて一世一代の勝負で勝ち犬となることを選択する帝一が見事。そしてラスト「君たちのことだよ。」の一言で急に角度が変わる。面白かった、天晴れ帝一。