Shion

デッドプール2のShionのネタバレレビュー・内容・結末

デッドプール2(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

FOX X-MENユニバースで『ローガン』の次に公開されたのが俺ちゃんの第二作。
R指定なんでもありのエログロアンチ・ヒーローと思いきや、実は滅茶苦茶王道で真っ直ぐなファミリー映画。
二作目の今作も、実際至極真っ当で王道な激アツムービーでした。


『ローガン』いじりからの俺ちゃんの爆破自殺で始まり、オープニングはやはりドーピンダー。
一作目と同じように後部座席から助手席へと移るシーンはこれこれ!となる。

タバコを吸うシーンの見た目が某DCヒーローみたいに見えたが、その後『スーパーマンvsバットマン』のネタが出たのでこれはわかってやってるなw

キルステン・ダンストの話題でスパイディにも目を配りつつ、でもヴァネッサ役のモリーナ・バッカリンが『GOTHAM』に出ていたことは頑なにいじらない。
ウェイドとヴァネッサに関しては本当におふざけなしなのがこの映画の実は真面目なところw


どんどん死んでくXフォースのチームメンバーは悪趣味全開。
ちゃんとパワハラしててちゃんと風のせいで全滅だから俺ちゃん、やっぱチームプレイは向いてないw
実際能力値は高いメンバーばかりだから今後の続編にもちらちら出てくる予定はあったんだろうなぁ……Disneyではどうかな?w
考えてみればこの降下作戦も『X-MEN:ZERO』オマージュかw

短足で歩くところで感動的な音楽を流したり悪ふざけは加速している。
いいぞもっとやれ。


エセックス社は今作でも悪どいことをしてる。
『ローガン』・『デッドプール2』・『ニュー・ミュータント』とその存在を匂わせ、予定していた『ガンビット』でも登場するはずだった。
FOXユニバースがあのまま続いていればX-MEN本編でもエセックス社との闘いが描かれるはずだったのかな。
このあたりは次作、拾いきれるか?w


ジャガーノートはようやく観たかったサイズ感で映像化されてくれた。
デッドプールシリーズは本当に観たいものを形にしてくれる、真面目で誠実なシリーズなんです。
ジャガノの倒し方が全員X-MENチームなのにちゃんと最低なのも良い。
ユキオとネガソニックも最高。ずっと仲良くしてて欲しい。


ただ、映像的な面白さは前作の方がやや上。
前作ティム・ミラーのような、アニメ出身の監督ならではのケレン味が今回はない。その分、アクションはかなり派手で甲乙つけ難い。
キャラクターも増えて、大きなアクションが多いので画面がずっと楽しい。
デッドプールは次作含め監督がすべて違うが、その微妙な違いも楽しめる。
そもそも監督の作家性より、ライアン・レイノルズが主導権を握っているが故の統一感があるので、そこに対しての安心感は絶大ではあるのだけどね。


俺ちゃんは原作ではかなり頭がイカれてしまってるけど、映画版は実際かなりマトモで、人間的。
家族に対して恐怖すら抱いてた俺ちゃんが仲間という家族を得て、最後は失った幸せすらも取り戻す。
間違いなくファミリー映画ですよこれは。

今作も物語自体は王道で、未来改変の流れも、自己犠牲によって大切なものを救おうとする姿も、仲間たちに看取られるラストも、そしてアンチ・ヒーローがヒーローへと成長していく流れも、すべて最高に王道なヒーロー映画なのである。

同時に、正義感だけじゃない、アンチ・ヒーローとしての矜持もしっかり描かれる。
X-MEN……プロフェッサーXの価値観で言えばコロッサスが言ってることが正しいんだけど、実際にはデップーみたく、殺すことでしかなし得ないこともある。
結局、物語の中でそれは否定しないんだよね。
(最後はドーピンダーがやっちゃうしw
そういうアンチヒーローなデッドプールに救われる存在も沢山いる。
やっぱりR指定ヒーロー俺ちゃんはこのままDisneyにも殴り込んで欲しいね。


最後も無茶苦茶やっているようで、物語本編では決してヴァネッサを生き返らせてないのが良いよね。
あくまであれはオマケ。本編を終えてから、時間を巻き戻す。
本編でのウェイドはヴァネッサの死を自分で乗り越えて、その死から学びを得ている。だからこそラストの時間改変も許される。
黒歴史もバンバン修正する。

でも、多分TVAとしては激おこ案件だったんでしょう。
ユキオの「大丈夫?」の不安も的中。
さてさて第三作、どうなるのか……?
最強のレギュラーメンバーはそのままに、MCUをすっかり変えちゃえ俺ちゃん!
Shion

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