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デッドプール2のfumingのレビュー・感想・評価

デッドプール2(2018年製作の映画)
4.0
問題作、再び。
前作以上にハチャメチャ度に磨きがかかっており、パロディやメタ発言の応酬。ツッコミが追いつかない程の皮肉タップリな内容は良い意味で悪趣味さと下品さが爆発しており笑えること間違いなし。かなりマイナーなネタも扱っており、制作陣の真面目なおふざけ具合がうかがえる。
そんなカオス極まりない作風とは裏腹に、ストーリーは劇中で謳っている通り、間違いなしのハートフルファミリー映画である。主人公とその仲間を通じて1人の少年が成長する内容は家族愛を確かに感じるものであり、ストーリーだけに関していえば親子揃っての鑑賞も十分にオススメできる。また前作よりもシリアス度やグロ表現は減っており、ハードボイルド映画ともとれた1作目に比べてよりコメディタッチなのもデッドプールという作品には合っていると思う。

昨今のマーベル映画はアベンジャーズ展開によりファンにとっては奥行きがあって楽しめるものの、逆にシリーズや世界観をよく知らない人たちにとってはややおいてけぼりな感じが否めない。しかしこのデッドプールはアメコミ世界観や特徴をしっかりと踏襲しつつも、それらをあざ笑うかのような作りでコアファン以外にも楽しめる内容である。それでいてポップ、さらに下品なジョークの連発とは裏腹にストーリーや展開はアメコミ映画の中ではかなり丁寧な部類。マーベル作品のファンで無い人やヒーローものが苦手な人にもぜひ観てほしい1作である。
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