ムギ山

田園に死すのムギ山のレビュー・感想・評価

田園に死す(1974年製作の映画)
3.0
酷い出来だと思った『書を捨てよ町へ出よう』にくらべ、はるかにちゃんとしているのはやっぱり役者の差ではないだろうか。八千草薫や原田芳雄、それに主演(現在の「私」)の菅貫太郎などがセリフを一言発するだけで、ただの映像が「映画」として立ち上がるという感じがするのである。それに比べると、たとえば三上寛のカメラを睨みつけての長台詞とか、セットのパネルが倒れて新宿の街があらわれる幕切れとか、やっぱり作者が頭で考えて「どうだ」と言いたいだけの画面にしか見えない。というわけで、役者はエライのだ。

「親殺しのパラドックス」がなんだか妙に意味ありげに語られてるけど、当時そんなに珍しいアイディアだったのかなコレ。あとなぜか「3代前の母親を殺す」ていう話にしてるけどなんで直接の親じゃいかんのだろう?(素朴な疑問)
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