iyu.

田園に死すのiyu.のレビュー・感想・評価

田園に死す(1974年製作の映画)
2.5
寺山修司。云わずもがなの世界観でした。不気味で前衛的で目が離せない。

不可解な象徴たちの組み合わせ。川からお雛様が流れてくるとか、畳の下を開けると死の国とか、田んぼの中で人が入るほど巨大なマッチ箱と床屋と将棋をする私と私とか、学生服を着た白塗りの中年男たちとか…テラカオス。

その映像がいやな感じとなって何時迄も感覚にこびりつく。脳みその突いてはならない部分を粘着質に針かなにかで突かれているような、そんな吐き気のしそうな気味の悪い刺激です。自分まで寺山修司に侵されて壊れてしまいそうな、でもそれが性的快楽にも繋がるような、不思議な世界観。耽美。

内容は古い体質を踏襲し続ける閉塞的な故郷と母親への強烈なコンプレックス。どうしたらここまで多角的で狂った表現ができるのかー。解釈がたくさん落ちていたので時間あるときにいろいろ読んでみよう。

わけわからないが感じるまま観るだけでのかなりインパクトのある作品には違いない。
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