えいがのおと

淵に立つのえいがのおとのレビュー・感想・評価

淵に立つ(2016年製作の映画)
3.7
衝撃的でありながら、ある意味綺麗にハマっていく映画

同監督、そして古舘寛治さんも同じく出演される「歓待」と酷似する前半部分と、シュールで、切ない後半部分から成り立つ。
浅野忠信の不気味さに恐怖を覚えるが、歓待を見ていたためか、そこまでの衝撃ではなかった。
後半部も、娘や妻の状況がシュールで、そこそこ面白かったけれども、ラストの展開などは想定内で、期待していたほどではなかった。
全体として、客観的なカメラが多く、ズームや、周囲の音を削っていく場面の、独特な集中感がよかった。
自身の顔をはたくモチーフや、作中で登場する、ポスターでつかわれる写真に呼応する後半シーンなど、象徴的で印象的なものが多かった。
話題の映画だが、小さめな劇場でしかやっていないのが残念だったけれども、そんなもんかなと感じた。