リーアム兄さん

ガール・オン・ザ・トレインのリーアム兄さんのレビュー・感想・評価

3.6
【好きなセリフ】
メガン「嘘は旅に似ている。秘密を持つこと。」

アルコール依存症で離婚をしたレイチェル(エミリー・ブラント)、レイチェルの元夫と結婚して子どもを持つ母親のアナ(レベッカ・ファーガソン)、アナの元でベビーシッターをしながら自分自身について悩むメガン(ヘイリー・ベネット)の女性3人を中心に繰り広げられるサスペンス映画。レイチェルは離婚後仕事もなくし、当てもなくニューヨークと家を電車で行き来している。その車窓から毎日アナと元夫の家(レイチェルの元家)そしてその近くに住むメガンの家を見ることができ、毎日レイチェルは2組の生活を覗き見する。子作りができなかったレイチェルにとって、元夫と子どもを授かったアナは嫉妬の対象、夫婦で仲の良い生活を送るメガンは理想の家族、という存在だった。
しかし、ある日、メガンが家で他の男性と親しくしている様子を見つけ、そこから思わぬ事態になる。

客観的に見ると理想の夫婦に見えるものの、実態は違ったり、良い人・まともそうな人に見えて実はやばいヤツだったりと人間って難しいなぁ、と思う作品。
とにかくメインとなる女性3人を演じた各女優が演技派。
エミリー・ブラントは「オールユーニードイズキル」ではクールな女性、「メリーポピンズ」では頭の切れるスマートな女性を演じていたが、そんなイメージをぶち壊すほどのアル中ボロボロ女性を演じ切った。
レベッカ・ファーガソンは社会的地位の高く上品な女性を演じさせるとピカイチ、ヘイリー・ベネットのミステリアスだがどこか悩みを抱えている女性の演技も素晴らしい。
それとは対照的なクズ男を演じたジャスティン・セローやルーク・エヴァンズも良かった。

映画は全体的に「ゴーンガール」のような暗い雰囲気で進み、見ながら犯人の推理をするもののみんな怪しく見えてしまう。

アル中のレイチェルの記憶を再現する演出のため、断片的な情報しか与えられず、3人の女性を中心に時系列もバラバラになるため、見ていて混乱しそうになるけど、最後にはすべてつながる。

好きな人と嫌いな人で好みが分かれそうな映画だった。