サンディエゴの田舎町に証人保護プログラムでやってきたマフィアを描いたコメディ映画。マフィア映画が好きなので見たが、コメディ映画として面白かった。とは言ってもマフィアの描写もそこそこあり、リアリティ3割、コメディ映画7割といった具合。
主演を務めるスティーブ・マーティンの技量にはただただ驚かされた。確かにステレオタイプのイタリア系アメリカ人を演じているだけという見方はできるが、彼の喋りや身振り手振りはまさに熟練のコメディアンであり、他のコメディアンが演じるイタリア系アメリカ人のそれとはクオリティが違っていた。言い換えるとモノマネではなく芸として確立している印象を持った。また、手品師のような手捌きやキレキレのダンスなどコメディアンというものがどれほど凄い職業かを思い知らされた。
ストーリーは全編通して明るく楽しんで見ることができた。証人保護プログラムをテーマとしている映画も中々少ないので、その点から見てもしっかりと設定を練っているのでよかった。暴力的なシーンは無いが、この映画にそれは必要ないと思う。底抜けに作品全体が明るいので何か見るものに迷ったらこの作品を選んでほしいと思えるほど、ハートフルな映画だった。
証人保護プログラム&マフィア物の映画は中々珍しいので見たが、コメディ映画としても面白かった。ネットフリックスで同じ題材のドラマシリーズが展開されているので、この作品が好きな人は是非そちらも見てほしい。