芦塚あきひろ

KOKOROの芦塚あきひろのレビュー・感想・評価

KOKORO(2016年製作の映画)
4.1
大好きなクニジュンこと國村隼目当てで見たら、サッパリして綺麗な映画。

芝居も風景も丁寧に撮られている。場所が途中からずっと日本で、こんなふうに作れば大抵の映画は見応えが出るなあ、と思った。

門脇麦の英語が喋れる女子高生設定とかは変だが、門脇さんの芝居は相変わらず良い。むしろもう少し出番を見たかった。

肝心のクニジュンも、『哭声』みたいな怪しさは皆無の、自殺の名所で死のうとする人を助ける、無私の善人を演じていた。『哭声』的なクニジュンも好きだが、この作品のクニジュンもナイスだ。

この自殺の名所を見回る人にはモデルがいる。茂幸雄という元警察官だ。この映画で改めて、彼のドキュメンタリーがあることを知ったので、後で見ようと思う。

もう少し波風が立つか、不思議な出来事や暴力的な出来事が起こる方が好みではあるけど、自分が親しみを持つ風景を美しく撮ってくれて、嬉しい映画だった。
芦塚あきひろ

芦塚あきひろ