カタパルトスープレックス

チョコレート・ストロベリー・バニラ(原題)のカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

3.5
オーストラリアのカルト映画。ブラック・コメディーに分類できるけど、ちょっと社会派でもありグロ注意でもあります。安定のりょーこさん案件でした😹

ウォーレン・トンプソンは寂れた広場でアイスクリームの屋台で生計を立てています。ちょっと知的障害気味で、元いじめられっ子で、足を引いて歩いている。すごい人生じゃないけど、アイスクリームの屋台があるし、テレビが観れれば幸せ。特に昼ドラ『ラウンド・ザ・ブロック』は女優のステイシーでシコシコできるくらい大好き😍。でも、商売している裏路地で麻薬の売人のチンピラがしょうばいをはじめて、ウォーレンをイビリはじめる。ストレスからかだんだん現実と空想の境がなくなっていき……という話です。

頭が弱いおっさんがキモいんだけど、愛らしい。キモカワイイ。普段の生活でささやかだけれど、大事だったものがどんどん消えていく。最初は猫。次に行きつけの店の店員の女性。日常の些細なことでガス抜きされていたはず。さらにチンピラがストレスを加速させる。はけ口は昼ドラ『ラウンド・ザ・ブロック』しかなくなっていく。そこに全てが集約された結果……まあ、そうなりますわな。

たぶん、何かメッセージ性みたいなものもあるんだろうけど、それはよくわからなかったです。みんなが選ぶアイスはチョコレートか、ストロベリーかバニラなんだ。みんなそれが好きなんだ。好きなアイスを食べれば幸せなんだよ。ウォーレンにとっての好きなアイスクリームは、たぶんあの女性の店員さんだったんだよなあ。