豚肉丸

マイ・ウェイ・ホーム(原題)の豚肉丸のレビュー・感想・評価

4.4
何処にも居場所が無く孤独感を感じていた少年が兵役に就き、映画を撮りたいと思うようになるお話

『My ain folk』の続編であり、ビル・ダグラス監督三部作の完結編でもある映画。中盤までは前二部作と同じような感じなのだが、彼が成長して青年になってからの展開がとても良い。これまで長い時間監督の分身である少年と共に居心地の悪い最悪な幼少期を経験してきたからこそ、兵役に就いてからの展開にはとこか込み上げるものがある。家からも家族からも何もかもから離れたからこそ、ようやく心落ち着く時間がやって来る。
シリーズに共通して見られた、印象的なショットや編集が本作ではあまり感じられず普通のドラマという印象が増していたのは気になったものの、しかし人物を静止させて意図的に間を空ける演出や意図的に物語内で起こる出来事を内側から見せず外側の隔てられた人達を映すカメラなど、やっぱり独特な感覚を与えてくれるから面白い。

にしてもこの監督の幼少期は流石に波乱万丈すぎる。
豚肉丸

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