このレビューはネタバレを含みます
"歯まん"(2015)
3/2上映に先駆け、渋谷UPLINKにて先行試写会で鑑賞。
女子高生の遥香の肉体が変化し、初めてのセックスの最中に自身の局部で恋人の性器を食いちぎって殺害してしまう。
冒頭から衝撃的なシーンで幕が開ける。いきなりトップスピード、しかも理不尽。
監督より試写にて語られた"元来のコンプレックスを表現した映画"でもあり、刹那的に、破滅に向かう愛の形が描かれてて、最後をどうみるかは人それぞれだけど、その人を愛するという点で見れば、とてもピュアな映画だと思う。
一方で語られた"誰かに殺されてもいいと思えるほど愛の映画"でもあり、トラジックがまた絶妙でもある。
ラブ・ロマンティック・ホラー・スプラッター要素の中で外せないセックス表現が前面に出てる。
愛する人との精神的繋がり⇄肉体的繋がりを行ったり来たりするなかで、不安定さを醸し、誰かと繋がることを必要とする愛情の飢餓感や不安感を見せてくれる。
カマキリのシーンを見せてくれるところもあるけど『愛する人を殺して生きる』っていう"性行為のカニバリズム"が遥香を少女から女性へと成長させる物語でもあると思った。
愛情が欠乏し、心の葛藤を表現してる映画。
※主人公の家族に『父親』がいないのは観てて気になったが、試写後トークにて物語では語られないが、実は母親も歯まん設定で、弟とは血が繋がってないっていう細かい裏設定があるのに驚いた。