南北戦争中のルイジアナ、女だけの寄宿学校に現れた北軍兵士。アイルランドからの移民一世で英語の発音にも訛りが残る。
幾重にも渦巻いた愛と嫉妬、女の園に囚われた一人の男は籠の鳥の如く翻弄される。
若い娘から一人の女へ。独身の頭によぎる妻という選択肢。大人の話相手を求めた校長。それぞれの女達が内面に抱えているものが具現化する様子が生々しい。
ガーリーでポップなソフィア・コッポラ作品の常からは一転、暗く抑え目の色調に格調高い白が印象的。『白い肌の異常な夜』を男女逆点・再定義した監督入魂の一作。
女性監督ならではのフェミニズム的視点により一歩踏み込めなかった印象があるのは、原作とオリジナル映画で描かれた黒人奴隷の存在をオミットしているからに他ならない。
