Tai

The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめのTaiのレビュー・感想・評価

3.3
飛び交う視線すら美しく、恐ろしい…

南北戦争の最中、少女がひとりの傷ついた兵士と出会う。
彼女が連れて行った先は帰る先のない者だけが残り暮らす女学校だった。
歩けるようになるまで。その期限で女の園に滞在することになった兵士だったが…

多数のレビューにもありましたが、肩透かしというか物足りなさはありました。
近頃の高評価作品たちと比べると、おぞましい程のドロドロとした人間感情も、観ているこちらの気がおかしくなりそうな程のエロさもイマイチです。
ただ、美しい。
人はもちろんのこと、木々や空という自然、射し込む光、衣装や建物に道具といった、どれをとっても日本の美しさとは違う世界観でした。
その辺の見応えは十二分にあります。

そして、誰が一番残酷なのか…
井戸の周りで楽しく歌い踊っていたような少女にゾッとさせられるとは思いませんでした。
むかし何かで読んだ「『男子三日会わざれば刮目せよ』というが、女は一晩泣いて寝れば次の日の朝には別人だ。女の方が恐ろしい」と言っていたのを思い出しました。

まあ、全体的に伍長が悪いよね(笑
Tai

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