もとまち

ペッティング・レズ 性感帯のもとまちのレビュー・感想・評価

3.7
古ぼけた白黒のフィルムから始まる冷たい情念の物語。エモーショナルを徹底的に排除したかのような画面。ゐろはに京子は愛に突っ走って脱獄までするのに、周りは浮気したり裏切ったりする人間ばっかりで、結局は彼女も愛への執着を断ち切る。人と人との関係の空虚さを淡々と描く90年代の映画。みんな言ってるけど人死ぬシーンは全部良かった。車に跳ね飛ばされて石に頭をぶつける女の「モノ」感。記念撮影に割り込んでの唐突な殺人シーンはいつか真似したい。ラスト、澄み渡った平成の青空と、風にたなびく真っ白なシーツがフワッとしてて美しい。昭和のデパートでかかってそうな劇伴も不穏でイイ感じ。
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