ゆみゆみ

アンナとアントワーヌ 愛の前奏曲のゆみゆみのレビュー・感想・評価

3.7
感情の機微。

映画音楽を主に仕事とする有名作曲家のアントワーヌ(ジャン・デュジャルダン)は、仕事でインドを訪れる。その際、フランス大使館での晩餐会に招待され、大使夫人アンナ(エルザ・ジルベルスタイン)と出会う。

お互い意見や嗜好がハッキリしていて、出会った瞬間から二人は自分を飾ることなく自己主張し始める。前半はかなりの会話劇。ただ、それがアンマに会う旅に出た後にジワジワ効いてくる。

アンナの顔が最初は全然好きになれなくて、これで恋愛もの観るのはツライなと思いながら観てたけど、ガンジス川で沐浴を終えた後から、アンナの顔がみるみる美しくなって行く。そうか…恋しちゃったんだな。そしてその変化はアントワーヌも。

アンナを追いかけて旅に同行した時からこの運命は決まってた。
二人の感情の機微を見る度に、なんかこそばゆい気持ちになる。お互い夫と彼女がいて、それぞれを愛している。でも別なんだよ。夫以外の男性に心惹かれることの罪と止めようのない恋心の飴と鞭。彼女の心は甘い痛みと共に、鞭打たれた苦しい痛みがある。

ラストはどう解釈すればいいのかな。不思議な後味の作品だった。
ゆみゆみ

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