Aria

最後の追跡のAriaのレビュー・感想・評価

最後の追跡(2016年製作の映画)
4.0
これムーンライトやララランドとオスカー争ってたんだけどFilmarksの受賞歴載ってないのなんでだろ…。

ウインドリバーで衝撃を受けて、フロンティア三部作は観た方がいいと映画仲間にオススメされて、すぐネトフリで観た作品。

モンタナ観るならこっちも見た方がよい。



閑散としたテキサスの地でベンフォスターとクリパ兄弟がこれでもかってくらい銀行強盗をする。

兄弟を追う定年間際のテキサスレンジャーにジェフブリッジス。おじいちゃんレンジャーは兄弟が何故強盗をするのか、何故借金に苦しんでいるのか、何故代々受け継いできた農場を奪われているのか…全て分かった上で、自分の想いに従い執念の追跡をする。

性格が正反対の兄弟の絆が良い。
兄ちゃんは荒々しいながらも弟への愛情がしっかり伝わってきて、犯罪を犯さざるを得ない状況まで苦しんでいるのがもう…やるせ無い。

おじいちゃんレンジャーはネイティブアメリカンの相棒との掛け合いが面白い。そしてやはり彼らにも絆がある。色々言いながらもしっかり情がある。だからこそ追跡をやめない。

両者の信念、想いがそれぞれきちんと描かれているからこそ、このテキサスの地を廃れさせた歴史を考えると虚しい気持ちでいっぱいになる。活気に溢れた頃のこの街、主人公たちを見てみたい。

この懐古主義がトランプ旋風の一翼になっていると思うと怖いなと思うけど…。

一見典型的な西部劇のようなのに、過去の物語として見ることができないのもまたすごい。現代を舞台にしてリメイクしても違和感無いと思う。
Aria

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