母の残した土地のために強盗をはたらく兄弟ふたりと、彼らを追う引退直前の保安官のお話。
脚本家のテイラー・シェリダンにとっては『ボーダーライン』『ウインド・リバー』と合わせて「フロンティア三部作」なる位置づけらしい。どの作品も見捨てられた荒野における血みどろ人情劇だ。
日本でも宇野維正さんなどがめっちゃ押してた印象で、観なきゃいかんなーと思ってたが…。いや、力のこもった良作ですよ。でもアタシの好みとは違った。
脇役の造形までもしっかり作りこんで、撃ちあいのアクションだけでなく「テキサスという土地」をちゃんと描きたかったのはよく分かる。でもそういう玄人受けしそうな真面目さってミーハーな人間にはつらいんだよなー。
タランティーノ的、とか言うと宇多丸師匠にぐうの音も出ないレベルで詰められそうだが。まあ影響はあってもタランティーノ以前から存在したスタイルだろうし。こちらはもっと朴訥な味わい。ファットママなウェイターさんが楽しい。