Punisher田中

最後の追跡のPunisher田中のレビュー・感想・評価

最後の追跡(2016年製作の映画)
4.2
離婚したばかりのトビー、刑務所から出所したばかりのタナーは両親の残した牧場を守るため、そして困窮した生活を脱するために銀行強盗をはじめるのだった。
一方、定年間際の刑事・マーカスは現役最後の仕事として、淡々と2人を追っていく...。

田舎でのクライムサスペンスを描かせたら右に出る者はいないであろう、テイラー・シュリダン脚本のネトフリ発作品。
フロンティア3部作中の1本であるため、今作もクライムサスペンス in 辺境の作品だが、これがとにかく面白い。
テイラー・シュリダンの脚本は信念を貫き続ける""漢""を描くことを得意としているのか、魅力的な""漢""が必ず出て来ていて、今作も実に""漢""力が高い一本となっている。

""絶対に牧場を残したい兄弟""vs""絶対に捕らえる刑事""の構図を上手く描いており、そこへ静謐で荘厳な砂漠をただの舞台ではなく主演として立たせているのが更に良い。
テイラー・シュリダンを理解し尽くしている漢のみしか撮ることの出来ない一作であるのは間違い無く...
偉大なショットが限り無く続く中で、内容はあくまで田舎に住む兄弟の苦悩・葛藤と敏腕の定年刑事の活躍を交互に描くというシンプルな構成がとにかく渋くて渋くて、アカデミー賞ノミネートも頷ける一本だった。
いつ観れなくなるかわからない配信限定作品、気になったらちょっぱやで観よう。