藻尾井逞育

ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど。の藻尾井逞育のレビュー・感想・評価

4.5
「僕に娘さんをください!(中国語で!)」
「一生一緒」

日本のドラマやアニメが大好きで、大学では日本語を専攻している台湾の女性リン。ある日、彼女のFacebookに、モギという名の日本人青年からメッセージが届く。モギは、震災の復興支援で日本に友好的な台湾に興味を抱き、まだ見ぬリンにメッセージを送っていた。これをきっかけにFacebook上で交流を始めた2人の仲は、急速に縮まっていく。

台湾全力女子と日本草食系男子のちょっとヤキモキするけど甘酸っぱいラブストーリーです。主人公リンちゃんを演じるジエン・マンシューさんがメチャクチャかわいいです。何事にも一生懸命、天真爛漫で表情がくるくる変わり、彼女から一瞬たりとも目が離せません。見ているこちらも思わず胸キュン頬が緩みっぱなしで、モギさんでなくても映画の中で恋に堕ちそうです⁈DVDの特典映像のメイキングでも、女性スタッフが何度も「カワイイ〜!」ともらしていますので、リンちゃんの可愛さは男女共通、世界共通の無敵さです⁈
一方、モギさんを演じる中野裕太さんは、感情を抑えた抑制された演技です。そのため、最初リンちゃんがモギさんのどこに好意を持ったのかとか、モギさんの嫉妬の気持ちとかがわかりずらかったです。けれども途中から感情を抑えて演技していることで、かえってモギさんにすーっと感情移入しやすかったです。そんなモギさんが、最後リンちゃんとママを交えて3人で思いっきり気持ちをぶつけ合うシーン、思わず応援したくなっちゃいます⁈
他にも、二人で朝早くデートに飛び出すシーンとか、友達の家で眠ってるフリしてるリンちゃんにモギさんが毛布を掛けてあげるシーンとか、雨の中バイクの二人乗りで夜の街を走るシーンとか…この映画にはたくさんのカワイイが詰まってます。
映画のメイキングを見ると、この映画の原作者であるリアルのリンちゃん(林薏涵さん)が撮影現場のあちこちにいらっしゃってます。本来、映画と原作は別物であり、またそうであってかまわないと思います。でもこの映画では、リアルのリンちゃんが撮影現場でいろいろアイデアを出しながら一緒に悩んでくれてます。この場面モギさんならリンちゃんならどう思いどう行動するか、丁寧に積み上げていってます。そのおかげで、実際にはなかったかもしれないシーンでも、二人にとって実話以上によりリアルに出来上がってます。3人で気持ちをぶつけ合うシーンの撮影を見て涙するリアルのリンちゃんを見て、こちらまでもらい泣きしそうです。
この映画では、使われる音楽からFacebookのアイコンといった小物にいたるまで、とてもセンスが良く映画のカワイイ雰囲気を盛り上げています。ただ、台湾に来なかったモギさんにリンちゃんが勇気を出して連絡するシーンで流れるこの映画の主題歌、ericka hitomiさんの「ハンブンコ」、とてもしっとりとして、お互いの気持ちがなかなか伝わらないもどかしさを歌っていい感じだったんですが、途中から歌詞が別れの内容になって、あれれと思ってしまいました⁈
でもそんな些細なことは、リンちゃんのカワイさで全部許しちゃいます⁈ 「一生一緒、でいいっしょ⁈」なんて、大塚商会のたのめーるのCMみたいなオヤジギャグを考えてニヤニヤしてしまうくらい、見終わって幸せな気分になれる映画です⁈

2024/04/03
台湾加油!