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丘のRのレビュー・感想・評価

(1965年製作の映画)
4.5
最も敬愛する監督のひとりシドニールメットの作品で、こんなんあるなんて知らなかったよ! しかもかなりの傑作ではないか! 何か1個いいの見ると他のルメットさんも久々に見たくなってくる。舞台はイギリスの軍刑務所。新しく入ってきた脱走兵とちょっとした悪事を働いてもーた5人の兵隊囚人の中にひとり、仲間を守るため無謀な攻撃命令に従わなかったがために捕らえられたショーンコネリーがいるのです。再調教トレーニングに使われる人口丘の上り下りを、休みなく何度も何度も強要される5人。そのうちひとりが無理しすぎたため死んでしまうところから話が一気に盛り上がり始める。正直、そこに至るまでは、ちょっと退屈やってん。丘の昇降がそないにキツそうに見えへんというのがあるからかも。実際はとんでもないんやろけど。中盤は、上官を告発するショーンコネリー対穏便に済ませたい同房の囚人たち、さら、対看守たち、遂には対軍紀や軍そのもののシステム、そして対国家と、彼らを非人道的に対処する側 VS 囚人たちとの対立に発展し、それが、管理者側の正義を無視した保身と権力への追蹤をまざまざと浮き彫りにしていく。とにかくこのぶつかり合いが見物で、こちらに向かって怒鳴ってるように見えるほどの顔面クロースアップの数々が殊に激しい。ほんで悪役ふたりのクソなこと! こんな憎まれ役を殺したくなるほどの憎たらしさで演じた2人はホントにすごい! それに比べて、序盤から囚人たちに対して人間らしく振舞ってる男のオアシス的嬉しさといったらない。この人やっぱゲイなのかな。イケてるわー。てか、全体的にホモセクシャルなテイストがほのかに香ってるよね。みんなできゃっきゃっシャワー浴びてたり、お布団の中でおしゃべりしたり。ほんで、この同房の5人のキャラ設定がまた大変に面白い、especially 黒人。黒人に対する差別も辛辣に描いてあるが、最終的にオレは民間人に戻るぜーと裸になったとこからのキレっぷりがおもしろかった! 白人たちタジタジ。ほんで、最後の方は、ホントに熱い熱い男たちのまさにrebel heartな展開にうおーーーーとなったあと、まさかのオチに閉口…ルメットさん…そりゃないぜ、けどサイコーだぜ。
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