菩薩

丘の菩薩のレビュー・感想・評価

(1965年製作の映画)
4.4
これ…どう考えても『フルメタル・ジャケット』レベルの傑作だろ…。

大戦中のイギリス陸軍アフリカ刑務所が舞台。様々な理由(離隊やら盗みやら)により集められた「落ちこぼれ」達が、とにかく鬼畜な特務曹長(全ての実権を握る看守長)と、これまた単なるクソ野郎の新任看守にいびられいびられ、追い詰められていく。その内一人が精神的にも肉体的にもヒャハ〜して死亡、当然この手の問題は内密に内密と処理したがるクソ野郎共だが…ってお話。

囚人五人組のそれぞれのキャラ設定もさる事ながら(黒人が入る事で話が何倍にも膨らむ)、なんとか看守長に立てつき正義を守ろうとするMr.良い人ハリスさんや(この人も看守)、自らの誇りを守ろうとする軍医さんをも巻き込んだ後半の熾烈な争いはかなり見応えあり、そこはさすがに「怒れる男」ルメット。で、何よりスーパーヒーロー、ショーン・コネリー。元々理不尽な上官を殴って刑務所に送られただけあって、超絶正義漢。なんとか法に則ってクソ野郎共を血祭りに上げてやろうとするんだけど…最後の終わり方がこれまた見事!なんでこんな名作が普通に埋もれてんだ…勿体無い。DVD1000円しないし、買って損無いと思う(メーカーの回し者ではありません)。

ちなみに「丘」とは、簡単に言うと刑務所内にある人工の坂道みたいな物。それを炎天下の中、重い背囊担いで何度も上り下りさせられたり、周りをグルグルさせられたり…。とりあえず看守長の悪役然とした面がまえだけでも見てやって欲しい。
菩薩

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