lemmon

丘のlemmonのレビュー・感想・評価

(1965年製作の映画)
4.4
狂っていく様。
あまりに過酷な仕打ちに耐えかねて。
自身の立場を守りたい行き過ぎた保守。
非人間的扱いからの逃避。
裏で粋がり表で服従してた故の爆発。
ある時気付く命令される無意味さ。


何かもう、全員見えない何かに囚われていたが、その行き着く根本原因はやはり戦争なのか、、、


元々は戦争中、罪を犯した兵士の再生を図る施設だったに違いない。そこを任された兵士たちは、ある種前線では使えないやつらでもあったのかも。そうなると、ここに出てくる全員、落ちぶれなのか。目の前で繰り広げられるやりとりをみると、とても優秀な(何を優秀と呼ぶのかまた難しいけど)軍人とは思えず。


腹が立つ奴らが、徐々に虚しくかわいそうに見えてくる不思議。人間誰しもが、と思うものの、価値がないって思われたくないなと彼らをみて思った。あいつらは無価値。


際立つのはやはりコネリー演じる主人公。彼だけ、特にラストの方は人間だった。必死に耐えた後のあの絶望感ったら、、、巧いし圧倒された。


あとは完全にスターオーラ消し去っていたマイケルレッドグレーヴにも驚いた。医者役の人、良かったなあと思って、エンドクレジットみてびっくり。


あっという間に終わった。
怒りを通り越して、どうしてこうなってしまった?と思った作品でした。
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