かんふーきゃっと

ザ・マスター 宋師のかんふーきゃっとのレビュー・感想・評価

ザ・マスター 宋師(2014年製作の映画)
1.3
※基本愚痴と悪口なので注意


中国政府が愛国心を育てるために国策で作らせているのでは?と思うほどに綺麗事ばかりでエンターテイメント性に欠けた作品。アクションは動けそうな人間が居るのに殺陣とカメラが下手でカット割りも細かく見辛い。

最近の中国映画には見た目が綺麗で音楽も壮大なものが多い。しかし映画としての出来が極端に悪いものもその点は同様で、チープでないことがかえって可愛げすら奪っている感がある。言い換えると着飾ったクソ映画。今作も色味や衣装は綺麗だが、役者が徹底的に大根で笑えない。メイン以外はエキストラレベルで台詞は棒読み、歩の進め方から腕の上げ下ろしまで下手で見ていてゲンナリしてしまう。乱闘シーンにも関わらず締まりの無い顔の者もいる。昔の香港映画でもそんな場面は確かにあった。どこが違うのか。私が思うに制作の目的だろう。香港映画はとにかく凄いアクションをやりたいという熱意で作られていた。格闘以外が手抜き過ぎてピーキー仕様だったことは確かだがファンは楽しんだ。対して今作は分かりやすくウケそうな要素を安易に固めただけにも見える。カンフー場面は既視感に溢れ、パクリ元よりも二回りほどクオリティダウンした映像の後ろで無駄に荘厳なBGMが鳴り、感動を無理矢理煽ろうとしているのだなと気が滅入る。作っている側も楽しくなかったのでは?などと思ってしまう程にどこに力が入れられているのか分からなかった。

邪推が多分に含まれたレビューとなってしまったが、他のレビュアーの方が「もしかするとTVシリーズの再編集ではないか?」と仰られていて、成る程そうかもと思いました。