Zhivago

シベリアからの手紙のZhivagoのレビュー・感想・評価

シベリアからの手紙(1958年製作の映画)
4.2
私にとって歴史的価値がある作品になった。
シベリアは自分の人生にそれなりの影響を与えた地。学生の頃、ゴルバチョフ政権のソビエト時代、シベリア鉄道で2週間シベリア各地を旅行した。その体験は自分にとっては大きな知見になった。
本作の時代は恐らくフルシチョフ時代。古い映像だけどそこから20年経ったはずの80年代末のシベリアは映像と大差がなかった。それは発見だった。
イルクーツク、バイカル湖。懐かしい。
ヤクーツク。当時行けなかったが、行ってみたかった。本作はヤクーツクをじっくり描いている。エベンキなどのモンゴロイドが主役。そう。シベリアはモンゴロイドの地なのだ。白人はどちらかというと移住者。
この時代のソビエトの庶民を描く映像を日本で観れるのは貴重な機会だ。新日本紀行のシベリア版という感じ。

ナレーションが面白い。エスプリが効いているという感じ。ソビエトが崩壊した今だからより冷静に観えるに違いない。が、当時は政治的解釈抜きにソビエト庶民を描くことは難しいことだったろう。だけどナレーションはその難しさを巧妙にジャンプしていて、うまいなあ、と唸った。

音楽はストラヴィンスキーやプロコフィエフ?あたり。他の音楽でもいいのにわざわざこのあたりの作曲家を使うあたりがセンスがいいなと思った。なぜだか音楽が映像にフィットしてるんだ。それがソビエトというものだろうか。
Zhivago

Zhivago