菩薩

シベリアからの手紙の菩薩のレビュー・感想・評価

シベリアからの手紙(1958年製作の映画)
3.5
平尾昌晃・畑中葉子「カナダからの手紙」の元ネタにして早見純『ラブレターフロム彼方』の大ネタ元(もちろん嘘)。同じ映像に三度被される異なるナレーションが何を意味するかは正直分からないが、現在・過去・未来でも良いのだろうし、共産党政府・そこに住む住人・他国からの視線でも良いのだろう。この作品、いやこの「手紙」でマルケルが訴えたいのは「第三者視点」の重要性なのであろうし、ここに皮肉めいて、かつ遊び心満載で映し出されている「シベリア」の姿はきっとまだ誰も知らないものであったろうと思われる。と、なんにせよクッマが超可愛ゆくて…動物バラエティみたいに観ちゃってすまぬ。カラトーゾフの『送られなかった手紙』みたいにくだりもあったし、巨大クレーンはやはり萌える。試される大地どころでは無いが、そこに息づく生活の温かみを感じた。
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