イライライジャ

消滅の年代記/消えゆく者たちの年代記のイライライジャのレビュー・感想・評価

3.5
やっとエリアスレイマンの映画を観ることが叶って嬉しい。
紛争や政情不安などが収まらないなか、イスラエル・パレスチナの人々の日常風景をドキュメンタリーぽくもコミカルに描く。

イスラエルで賃貸契約してもらえないパレスチナ人女性が行う密かに過激な反撃パートが面白い。
画面に写る人々はみんなステレオタイプで、現地でよく見る風景や仕草が描かれてるらしい。まあ日本人の私にピンとくるわけがないが。
政治や両国の関係性を風刺しているが、むしろこの2国をここまでホンワカする雰囲気で済ませてコメディタッチに振り切って挑発してるのが素晴らしい。
両国のこの感じは全然知らないはずなのに、退屈しないどころかずっと面白い。
細かいところまで意味があるんだろうけど、日本に生まれ育った人間には意味が汲み取れないのが悔やまれる。