Jaya

消滅の年代記/消えゆく者たちの年代記のJayaのネタバレレビュー・内容・結末

4.4

このレビューはネタバレを含みます

イスラエルのパレスチナ人の日常すぎる日常を映し続けるお話。冒頭のオバちゃんの長々とした愚痴からもう面白い。アラブ系イスラエル人的あるあるなのか。

第一章はオムニバス。店の前で喧嘩する車の2人が楽しいです。様々な日常の一コマが「その翌日」の言葉で繋がれていきます。たまにクローズアップされる両親、クレジットを見ると本当のスレイマンの両親なのかな?

第二章では、エリアとアダンが何となくの中心。「スレイマン監督」の講演、まさか本当に喋る?と思いきや、やはり彼らしいオチ。黙ってる顔から面白い。

アダンを通してパレスチナが被る理不尽が示され、無線を通してのささやかな抵抗。そしてまた日常へ、という流れがとても美しかったです。終盤に示されるのは宥和のイメージの連続。平凡な日常の切り取り方がグッときました。

ささやかながら日常に根ざした平和への思いを、シュールでコミカルに描き出した傑作でした。
Jaya

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