このレビューはネタバレを含みます
イスラエルのパレスチナ人の日常すぎる日常を映し続けるお話。冒頭のオバちゃんの長々とした愚痴からもう面白い。アラブ系イスラエル人的あるあるなのか。
第一章はオムニバス。店の前で喧嘩する車の2人が楽しいです。様々な日常の一コマが「その翌日」の言葉で繋がれていきます。たまにクローズアップされる両親、クレジットを見ると本当のスレイマンの両親なのかな?
第二章では、エリアとアダンが何となくの中心。「スレイマン監督」の講演、まさか本当に喋る?と思いきや、やはり彼らしいオチ。黙ってる顔から面白い。
アダンを通してパレスチナが被る理不尽が示され、無線を通してのささやかな抵抗。そしてまた日常へ、という流れがとても美しかったです。終盤に示されるのは宥和のイメージの連続。平凡な日常の切り取り方がグッときました。
ささやかながら日常に根ざした平和への思いを、シュールでコミカルに描き出した傑作でした。