mappii

消滅の年代記/消えゆく者たちの年代記のmappiiのレビュー・感想・評価

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エリアスレイマンのことを現代の喜劇王と言いたくなるのも分かるけど、三代喜劇王とは違う気もする。
日常の中の面白おかしさに気づく視点をお持ちだから、それに皮肉も込めて、ブラックコメディ的に仕上げることができるのかなとか思ったりして。

本当に定点カメラでパレスチナの各所を撮りましたみたいなシーンが多くて、特に何も起こらなそうだし、実際大きな出来事は起こらないんだけど、常に争いや差別の絶えない日常みたいなのが垣間見えて胸がきゅっとなった。
特に、アラブ人の女性が電話をかけ、その後その差別に対する怒りの矛先を無線を使ったイタズラに向けるのはなかなかの見ものだった。
誰も悪くないけど、歴史と文化が残し続けている対立が人を傷つけ合う姿にふと考えさせられる。
究極のブラックコメディ。
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