中

獣道の中のレビュー・感想・評価

獣道(2017年製作の映画)
3.2
伊藤沙莉オールナイト②
@新文芸坐
(①のニノケンさんの映画が登録されておらず…)

人生で2度目のオールナイト上映
(ちなみに初は園子温。締めの作品に奇妙なサーカスというド鬼畜な演目だった)
マスク二重にしてしっかり感染症対策
伊藤沙莉さんのトークから幕開けでしたが
本人のこれからのこと、今までのこと、
雑談から映画の裏話など超濃度の高い45分間突っ走りトークから始まり久々に感じるこのワクワク感。話が上手だし言葉選びがわかりやすいので、全く飽きずに楽しいトークショーでした。

獣道…。
おはなしは、タイトルまんまの獣のような人生を生きてきた少女と想いを寄せる少年の純愛?ストーリー。何かと比べて映画を語るのは本当によくないけど、宗教、毒親、少年少女、チンピラ、外道、純愛、など要素要素が愛のむきだしをちらつかせる。(わたしが愛のむきだし大好きだからなのだろうか…)
いや、ちら レベルではない気がする…。
監督は被りすぎてること、どう思ってたのだろう…。知らないなんてことは、ないだろうし…。どうなんでしょう…。

そんな話はさておき。
結論から言うと、伊藤沙莉最高。
少女は自分の身に降かかる状況に応じて、コロコロと居場所を変えるのですが、それぞれに違うアイがいて、それを見事演じ分ける伊藤沙莉、
とある平凡な家族の一員になったアイが、その家庭になじもうと、御奉仕しまくるわけだけどそのしたたかな姿が恐ろしいくらいこわいのです。というか、気味が悪い。
あからさまに何か変えてるわけじゃないんだけど、明らかに何かが違う、そんな微差を調節してる伊藤沙莉恐るべし…。と、結構ヒィ っとなりました。

他。
個人的には群像劇ぽくするではなくて
完全に少年少女にフォーカス当てて、他はそんなに話広げなくてもいいのになあと思い
(これはミッドナイトスワンでも思った)
なんだか、リョウタのアイへの愛(?)が
すごーく小さなものに見えて
途中そのことを忘れてしまうくらい
アントニーの話とか、まあ、残酷な内容の(ゆくゆくは)クッションにはなってるんだろうけど
なくても良かったかな、と思ってしまうくらい結構どうでもいいなー、とかぼやいてしまう。

リョウタって実はすごく普通の男の子だし
須賀健太もすっごくオーラがあるわけじゃない
他がこゆすぎて、折角の唯一普通キャラが
全然いい作用をしていなかったような…。
結構もったいないと思った。

伊藤沙莉×須賀健太

アイとリョウタの設定とか
関係性がなんともいえない
絶妙なよさがあっただけに勿体ないと思いました。
中