GODZILLASAURUS

獣道のGODZILLASAURUSのレビュー・感想・評価

獣道(2017年製作の映画)
3.5
「割と好きなタイプの作品」

人生で自分の居場所を作るは簡単なようで難しいんだなと改めて思わせる作品だった。

俳優陣がいい。
伊藤沙莉は、右に振れたり左に振れたり大変な役だっただろうけど、本人の良さも出しながら愛衣を上手く演じていた。やっぱり好きな女優さんだわ。
須賀健太もこういう暗かったりやや捻くれた役が似合う。ボソボソっとしゃべる感じも彼の声のトーンと合っている気がする。
驚きはアントニー。色々役が増えると良いなと思わせるほどしっかり俳優をやっていた。
でんでんと広田レオナのヤバい人役はもはや鉄板。新鮮味はないが安心感のある2人。

田舎で生まれ育つと、この何とも言えない井の中の蛙感はよくわかる。特にその中でも底辺と言われるような環境で育つと、成人前に負のループに陥ってしまう可能性もある。本作はその負のループをどす黒く描くのではなく、ブラックコメディに近い雰囲気で描いているので、メンタルがあまり削られることなく鑑賞できて良かった。

ラストの「私は孤独じゃなくて孤高なんです」やりとりは締めの雰囲気としてとても良く、ゆるい空気感に思わず笑ってしまった。星3.5
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