ダイナ

ブレードランナー 2049のダイナのレビュー・感想・評価

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)
3.3
前作から35年経ち続編。監督は変わるもリドリー・スコットは制作総指揮で関わるという安心(?)感。作中時間としては前作が2019年→本作は2049年と30年で現実と作品内の時間感覚が絶妙に近いですね。ポスターの半分を占めるほど存在感出してるんでネタバレでないと判断して言っちゃいますとデッカードが出てくるわけですよ。前作であれやこれや議論の的になってた件があってのこの見た目に不思議に思うも一応筋は通る設定があるそうで。しかし、加齢型・出産・記憶…レプリカントの設定に関して解釈の幅が広がりすぎた感じがして、鑑賞後のあれは何だった?を考える興味は薄れてしまったのが正直な所。

無人の空間フェチには堪らない本作。だだっぴろい空間を贅沢にポツンと練り歩くあの、空気感が湧き上がらせる未知への探究心とか何かが潜んでそうな恐怖とか、静寂の中際立つ行動音とかその手の雰囲気好きだったんで、全体的な美麗な映像は「綺麗すぎてコレジャナイ」という気持ちもありつつ、見入ってしまうほどの迫力。ライアン・ゴズリングと加齢ハリソン・フォードのショーステージ一連の会話含めたやり取りが良かったです。

本作2時間半ほどあるんですが、1時間半ぐらいまで退屈。なんですが中盤くらいから「おっ?」と思わせてくれるのは前作もそうだったなあと懐古。サラダボウルのように多言語入り混じる雨と街(シーン少ないのが残念!)、日本語・カタカナ・カタコトの「だっさ」と思っちゃう可愛い近未来描写含め所々前作のシーンを彷彿とさせるニヤリな演出等、結構「続編」のポイントは抑えていて良かったです。そしてデッカードさん相変わらずあっさりな弱さで草。「自分の存在って何?」と前作デッカードと違う背景で奔走させる脚本は既視感を跳ね除ける新鮮さで良かったです。本作クライマックスの画も凄い良くて、締めの美しさもちゃんと継承してるなあと。
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