福福吉吉

ブレードランナー 2049の福福吉吉のレビュー・感想・評価

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)
3.5
◆あらすじ◆
タイレル社が倒産し、レプリカントが製造禁止となるが、科学者のウォレスがタイレル社の資産を手に入れ、新型レプリカントを製造し始める。2049年のロサンゼルス、旧型レプリカントの処分を担うブレードランナーのKはレプリカントの女性から産まれた子供を殺すようジョシ警部補から密命を受け、その子供の捜索を開始する。

◆感想◆
「ブレードランナー」(1982)の続編となり、前作から30年後の2049年を舞台にブレードランナーのレプリカントのK(ライアン・ゴズリング)がレプリカントから産まれた子供をめぐる争いに巻き込まれるストーリーになっていました。

主人公のK(KD6-3.7)は新型レプリカントであり、ほとんど感情を表さないので彼が何を思っているのか普段は分かりません。しかし、ストーリーが進むにつれて彼が感情を表すようになっていき、彼の苦悩や希望が伝わってくるようになっていきました。ライアン・ゴズリングがKを完全に演じきっており、見事だと思いました。

ストーリーとして、レプリカントの女性が産んだ子供をKが探す一方、ウォレス社もその子供を狙っており、レプリカントのラヴ(シルヴィア・フークス)がKを追跡します。このラヴが非常に憎たらしくて、それでいて強いので観ていて嫌悪感がわきました。

ストーリー全体としてかなり緩く、暗く不気味なBGMとともに長くその風景を移すため、少し冗長に感じる部分がありました。全体的に退廃的で雰囲気がガラッと変わるシーンが少ないことも理由に挙げられると思います。その一方、シーンごとにしっかり映像としてその世界観を描いており、それを意識させる意図もあるのかなと思いました。しかし、何度か眠気がきましたので、少し辛かったです。

本作後半においてあの人物が登場してストーリーが一気に盛り上がります。ここから妙にアクションシーンが増えていて、最後までしっかり楽しませてもらいました。

一方、気になったのがレプリカントのKとホログラフィでAIのジョイ(アナ・デ・アルマス)の関係性でした。ジョイは実体がありませんが、Kよりも感情豊かであり、それもAIと言えばそうなのですが、レプリカントとAIの間に愛情があったように感じられて、人間の感情の難しさを感じる関係でした。

少ししんどい部分もありましたが、前作の内容を受けた続編としてしっかりストーリーが構築されていて、なかなか面白かったと思います。

鑑賞日:2024年4月22日
鑑賞方法:CS WOWOWプラス
(録画日:2023年8月19日)
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