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ブレードランナー 2049のapapattiのネタバレレビュー・内容・結末

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

「大義のために死ぬのが最も人間らしい」
レプリカントのリーダー?が言ってた。

生殖ができないこと以外は人間と同じはずなのに、何より彼らが人間と同等になることを望んでいるはずなのに、自ら「人間らしさ」を定義して、今の自分を肯定しようとしているのは皮肉に感じた。

でもそれは、人間からみてもそうで。
大義を持たずに生きる人間は、果たして人間らしいと言えるのか?
彼らとなにが違うのか?

ただ出自が違うというなら、それは人種の差別と変わらない話で。
たとえテクノロジーが発達しても、歴史は繰り返すのだなと。虐げられる立場が革命を起こす。
奴隷とか反政府とか。


人造人間だからなんだというのか。
という目線は、当事者ではない者の意見である。実際はかぶりものだとか、差別的な扱いをうけるのだろう。それは目に見えている。
それに対して自身の出自がないために、惑うのは不思議なことではない。

舞台こそSFだけど、己とは何かというテーマを感じる。

kは最後、デッカードを殺せと言われたのに助けて娘に会わせる。
あの行動に一体何の合理性があるのか。それこそが彼の掲げた大義だったんだろうなー。


あなたは特別よ、愛してると繰り返し伝えてくれた二次元彼女。ジョーという名前や今日は大変だった?という問いかけはプリインストールされたもので。
愛情を感じさせることすらもAIによって表現されてしまうのな。割と人間チョロいな。

そんな彼女も、生身と同じように死ぬ体になりたいとのぞむ。
これは合理性があるだろうか?…あるな。製品の買い替え。商売っ気で解決する話だった。
そう考えるとプログラムであの情熱を表現することも、意味はある。

ただ、経済合理性のために惚れさせる。そんなAI。作られてばかうけするだろーな。
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