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ブレードランナー 2049のみかんのレビュー・感想・評価

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)
3.8
前作から30年後の2049年。新型レプリカントで『ブレードランナー』の主人公Kが、旧型レプリカントの処分任務を遂行していくうちに、世界を覆す「奇跡」の秘密を知ることになり、真実を追っていくハードボイルドSF。

前作は、基本的には「人間」が「レプリカント」を追う構造でしたが、今作は「新型レプリカント」が「旧型レプリカント」を追って「人間と旧型レプリカントの秘密」を探っていく構造。

1つ1つのキーポイントを拾って謎解きしながら沈黙の中の感情を読み取り、時に敵対する相手と交戦しつつ、「誰かを愛すること」や「大義のため」に戦うなど、どんどん''人間らしく"なっていくKを通して、前作とはまた違った角度から深く考えさせられました。

姿形は人間だけど、決して人間扱いされないレプリカント。

「人間もどき」となじられ受ける差別や嫌がらせ。

自分は一体何者なのか?
何のために生まれたのか?

"人間らしさ"とは?
"人間らしく生きる"とは?

Kとホログラムのジョイの恋愛は切なかったです。

今のAIとIoT、ホログラム技術とか突き進んでくとこうなるのか〜と感心しましたがw

ジョイの愛情がただのプログラムされたものだったのか、それとも独自に感情を持ってKだけを愛する存在になっていたのか。

それぞれの解釈あるとこだと思いますが、私は後者であると信じてますw

ハードボイルドと言いつつも、ド派手な演出のあるアクションや疾走感や爽快感のあるバトルではなく、静寂の中で緊張感が漲っていくようなクールなアクションで、それはそれでリアルでカッコよかったです。

とにかく、物憂げで薄暗く、退廃的で独特な世界観はそのままさらに広がり、Kとジョイと一緒に謎を追いながら、ラストは見事に、そう言えばそうだった!と、あっと驚かされ、Kの結末には深い余韻の残る作品でした。


★2049年ますます環境が悪化したロサンゼルス。30年前人造人間レプリカントを製造していたタイレル社は、2022年に起きた大規模な停電事故による食糧危機を救ったウォレス社に買収され、従順で寿命に制限を無くした新型レプリカントが製造されるようになった。

その中で、反乱の恐れのある違法な旧型レプリカントの残党狩りに、厳しい感情テストをクリアし忠実と証明された新型レプリカントを『ブレードランナー』として起用していた。

主人公Kもブレードランナーとして、カリフォルニアの農場に潜む旧型レプリカントの処分任務に赴く。

そこで耳にした、「奇跡」とは?

その謎を追いながら、やがて自分の記憶や過去の事件の秘密が明かされていき、、。
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