涙なくして観られない。父と娘の物語。海外でコンサルタントとして活躍する生真面目な娘を心配した父親が他人のフリして娘の周りに神出鬼没する。お父さんのユーモアはふつうなら引くが、顧客の前で失態を見せられない娘は冷静さを装う。娘にまとわりつき、仕事先へもつきまとう父。
海外で一人張り詰め心を失いそうになっているのをなんとか弛ませてあげようとする父。
娘は少しでも情に流されたら全部崩れてしまいそうで、誰にも甘えず、弱音を吐くこともなく、前に進むことしか考えていないビジネスパーソン。
もっとコメディ要素が大きいかと思っていたが、父の愛情と娘が一人で乗り越えて頑張ろうとする気持ちの両方がつらくて涙が出てきた。
鬱陶しいほどしつこい父親。冷たくしても決してその愛情が揺るがないのを知っているから娘は邪険に当たる。父親には娘がいつまでも少女なのだ。娘もまた父の前では少女のままだ。
二人の行き違いのやりとりが続くが長さを感じさせない。
その瞬間が永遠に続くと信じている娘。
レビューを一行だけ書くとするならば、
「お父さんにもっと優しくしてあげて!一緒に居られる時間は限りがあるんだから」
父親が娘に生きる意味を語ったことは全部その通りだと思う。うなずきながら聞いていた。成果を求めるために生きているんじゃない。瞬間の輝きを記憶したい。
レビュー書いていても泣けてくる。
(ジャケのキャッチの遊び心いいね👍️)