RRR

ありがとう、トニ・エルドマンのRRRのレビュー・感想・評価

4.2
・仕事一筋なキャリアウーマンのイネスの元に突然やってきた父ヴィンフリート、戸惑うイネスだったがいつもの悪ふざけっぷりに仕事のペースを乱されイライラしたりウンザリしたり…的な内容

・これ面白いのか…?と言う感じの かなりのんびりなスタートダッシュでしたがじわじわ来ますね 序盤の「アウトソージングが~コンサルタントが~」ってなワードが飛び交う仕事の商談の場に 何故だか父親が同席していると言うシュールな絵面と、表情には出さないものの静かにブチ切れているイネスがたまらなく可笑しいです 
・レストランで見切れるエルドマン、手錠の鍵を無くして娘の仕事先に同行するエルドマン、ピアノを伴奏し娘に歌う様にと無茶ぶりするエルドマン 全てが愛おしい…諦めたのか開き直ったのかイネスの熱唱っぷりもまた最高でした
・老いは誰の元にもやって来て 周りの命がひとつずつ消えてゆく中 この先自分もいつかは…と 残される一人娘を案じたのかな?お互いに不器用な形でしか接する事が出来ない父娘は 全く似ていない様でよく似ているなと 
・毛むくじゃらの着ぐるみごしでしか抱き合えない捻くれ者な歪さが 何だか泣けて来て…どうしようもなく切なくなりました
・自転車の練習に付き合ったり 迎えに行ってバス停で回収したり…そんな些細な昔の思い出の一つ一つが かけがえのない時間だったと 大人になってから気付くものだと…
・感謝を伝えたいと思った時に親は元気で居てくれてるだろうか?ありがとうと今 言葉にしておかなければ
・時間と気持ちに余裕がある時に 肩の力を抜いて楽しんで欲しい 不思議な作品でした
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