ゆうゆ

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3.9

ずっとゴリラと飼育員の感動物語だと思ってたけど全然違った。
仕事でいっぱいいっぱい、心を失くしかけている娘を心配し戯ける神出鬼没のパパ。ユニークを通り越し 痛キモいのになぜか愛おしくなる不思議、恐らくそれは彼の道化が物心ついた頃からの愛娘への当たり前の癒しだったからなのでは…。
歳を重ね いつしかあの頃と変わらない父が痛々しくて億劫な存在になる気持ちには十分共感、だけどふたりの培ってきた尊い愛情がきっと反発的な気持ちを思いとどまらせてたのかも。仕事への重圧、昔のように無邪気に笑えない父への申し訳なさなど 大人になってしまった彼女だからこその葛藤に苛まれ涙を零したり冷たく当たってしまう、あの複雑な感情には思わず涙。
心の鎧を追っ払った彼女はやっぱりあの彼の娘だったのねっていう嬉しみと戸惑い、そしてあの親子には残りの時間、これからも変わらず 呆れたり微笑み合う素敵な関係が続いて欲しいと願う。

映画なのに珍しく大笑いしちゃうシーンがあって 長尺だけど概ね良かった。ただ 義歯を出し入れした手では触れられたくない絶対
ゆうゆ

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