ろく

にっぽん’69 セックス猟奇地帯のろくのレビュー・感想・評価

2.7
中島得意の「ドキュメンタリー」もどき。そうこれは川口浩なんかが得意としてヤコペッティあたりが大好きな「リアル」のためなら作り物でもいいぞ映画ですぜ。

まあこの時代は謝国権あたりの似非科学エロネタも流行っていたからねえ。当時のおっさんも一生懸命これを観て、さらには謝国権あたりを熟読し、「性は恥ずかしくないんだ。むしろ科学だ」とかバカなこと言っていたんですよ、biva昭和!

冒頭から横尾忠則のオープニング、バックにかかるのはフリージャズとなんとも恰好いいんだけど、中身は今の「性の自由」を基に全共闘や部落解放などとともに語る。ああ時代だなとしみじみですよ。これが恰好いいって時代があったのよ。それほんとで。

さらには唐十郎の状況劇場も必死で追っかける(若い!)。もうセックス猟奇地帯でもなんでもないじゃん。いいんだよ、この一貫性のなさが。これこそ中島貞夫なんですよ。

エロシーンは正直、今の氾濫したエロから観ると大したことがない。というか正直これで「猟奇地帯」と言われてもねえ。というのが正直な反応。うん、今はよくも悪くも性に対しおおらかな時代になったんだなぁ。

映画としての価値は全くないけど時代としての価値が高いし、何より、冒頭の横尾忠則オープニングだけで「観る価値」があるんですよ。viva昭和!!
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