間々田陽紀

愛を綴る女の間々田陽紀のネタバレレビュー・内容・結末

愛を綴る女(2016年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

※映画のシーン全般に波の音、風の音、虫の音など周囲の風景から醸し出される音を背景に流している演出は好感がもてました。

※この映画のラストでガブリエルからの『何故黙っていたの?』という問い掛けに、ジョゼが『君に生きて欲しくて』と答えるシーンには、男性である自分としては大いに納得感のあるシーンでした。

※途中から恐らくこの映画は女性が観る?ことを意識して創られたような気がしてきましたが、オープニングシーンが後半のどこで繋がっていくのおか?更にはエンディングでの意外な展開(現実と空想の交錯)で男性にも大変興味深く楽しむことができました。

※ガブリエルが様々な男性との出会いの中で執拗に愛を求めて行くのに対して、ジョゼフは男性は愛を求めるのではなく、愛を捧げる生き物であるということをしっかりと表現していたと思います。女性と男性の愛を挟んでの立ち位置の違いが、しっかりと描かれていたと思います。

※ジョゼフとガブリエルがジョゼフの生まれ故郷に行くところで、何の説明(寡黙で耐えるガブリエルの過去?)もないままに映画は終わります。この終わり方と最初のガブリエルがタクシーを急に止めて降りるシーンとがシンクロしていて最後まで謎めいた世界を観る人に送っているようで面白い演出だと思いました。
間々田陽紀

間々田陽紀