ちゃんしん

わたしは、ダニエル・ブレイクのちゃんしんのレビュー・感想・評価

3.6
いったい何が大切なの?

世の中、働かずにお金だけが欲しいという奴が多すぎる…。
お金さえあれば何でも出来るし、困ることにはならない。
だから何もしないでセーフティーネットを利用しようとする奴が出てくる。
本当に必要な人に対しても疑いの目が向けられ、本来の目的さえ見失ってしまう…。

働くということはどういうことか?
社会人ということはどういうことか?

そんな当たり前のことさえ理解されていない世の中になってしまった…。

自分の代わりに、世の中に医師として働いている方がいるから病気になっても困らない…。
道路工事をしてくれる方がいるから、道を使える…。
電車を安全に運行してくれてる方がいるから、安心して電車に乗って移動出来る…。
建設会社で働いておられる方がいるから、ビルや家、橋や港なども利用出来る…。
漁師の方がいるから、美味い魚が食べられる…。
自分に出来ないことを、社会では他の誰かが代わりに働いてくれてる。

その社会の中で自分は、他の誰かの為に何をするべきなのか?
何が出来るのか?

「社会人になる、働くということは社会の一員としての役割を担うこと…。 」

お金さえあればいいとか、働かずに儲けたいとか、子供の発想。
何を守り、何が大切で、何を基準にするべきことなのか?
資本主義社会という枠組みの中でやらなきゃいけないこと、考えなきゃいけないことがどんどん間違った方向に進んでいるような気がする。
社会の義務を果たしてきた人間が社会の義務すら果たさない人間によって、その権利すら認められなくなってしまった社会…。
社会的権利は社会的義務を果たした上だけに認められるべきもの。
義務すら果たさない人間に権利を認めてしまうから、おかしな状況になってしまう。

この作品は、その「どないなってんねん!」という感情をどストレートに突っ込んで作ったような作品。

現代社会の人間性のあり方に力一杯疑問符を投げつける意欲に共感出来る。
ちゃんしん

ちゃんしん