Gaku

わたしは、ダニエル・ブレイクのGakuのレビュー・感想・評価

3.8
ケン・ローチ作品はこれで10作ほどになるのか。実直なつくりと、明確なメッセージ性とで、いつにしても安心して観ることのできる作家である。しかも、本作品はカンヌのパルムドールを獲ったのだから言わずもがな。
ただ作品の作りに不満がないわけではない。主人公ダニエルの実直さは映画で伝わるにせよ、イギリスの福祉社会の硬直性は、中にいて経験した人でないとわかりにくい。ケイティの置かれた貧困もどういう経過があったのだろうか。
ケン・ローチ作品のフォロワーには(あと是枝作品のフォロワーとか)には説明が不要なのだろうが、もう少し大衆向けには起承転結の激しさもあっても良いかとは思う。ただ、あの簡潔な力強さがケン・ローチなのだと言われればそれはその通りなのだが(苦笑)
それはそれで、イギリスの社会福祉問題や、貧困、そして個人の尊厳を語る上では、外せない作品でしょう。うん、よかった。オススメです。ちなみに大学の授業で使う予定ですd(^_^o)
Gaku

Gaku