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わたしは、ダニエル・ブレイクのKKのレビュー・感想・評価

4.4
ケン・ローチ監督2作目

初めてのケン・ローチ作品は
「ケス」だった。
正直かなりのトラウマだった。
あんなにも人のリアル、救いのない現実を見せてくるとは思わなかった...

実はこの作品を見る前はケン・ローチ監督の作品とは知らなかった。
見た後に知ったけど、確かに似ている部分もあると思った。

この作品も、「福祉」のリアルを見せてくれる。行政のルールに縛られた人情味のない対応と、口は悪くても心の優しく、器の大きいダニエル・ブレイク。

役所で少しでも遅れたからと、対応して貰えないケイティのために声を上げるダニエルは最高にカッコイイ。
自らも苦労している中で、人のために行動できる人が真に器の広い人間だと思う。

お金が無くて、働いても働いても、体が壊れる寸前まで働いても、子供2人を育てていたらお金は足りない。自分の食事すら抜いて、子供のために働いている。
そんな限界の中で、生きるために万引きしたり、風俗で働くことを誰が責められるのだろう。

子供のため、働きたくても思うように働けない現実、行政が全ての人を救うことは出来ないけれど、もう少しなんとかならんかと思う。

これは、関係のない他の国の出来事ではなく、世界中の問題でもある。この現実を知ったからと言って、自分にできることはそんなにないけれど......
そして、そういった社会問題どうこうというよりも単純にこの映画が素晴らしいからもっと多くの人に見てもらいたい

ダニエルの心の広さと優しさ
人のために怒れる信念、人間としての尊厳を持ち続けたい
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