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ローサは密告されたのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

ローサは密告された(2016年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

麻薬の密売で捕まってしまう夫婦の話。

手持ちカメラで撮られたドキュメンタリータッチの映像が、何とも生々しく、臨場感があって引き付けられてしまった。
それに加えて、貧困や家族をテーマにしている事から、日本人的には『万引き家族』を連想してしまう作品だろう。

個人的に気になったのは、イライラ演出の部分。
冒頭の釣り銭の件からそうなのだが、本作は人をイラつかせる演出が上手い。
中でも、警察署にいる小間使いの子供には非常にイライラさせられた。
警察でもないのに、終始画面内をフラフラしてて、偉そうにピーナッツを食うわ、夫婦を見下す様に見るわ…。
このイライラ感が居心地の悪さとなり、映画の緊張感を高めていたのは間違いないだろう。

麻薬、貧困、そして警察の腐敗と、フィリピンの厳しい現実を見せる、かなりヘビーな作品である事は間違いないが、親の為に奔走する子供達の姿や、意外な人の意外な善意に救われた気持ちになるのも確かである。
映画のラスト、仲睦まじい家族を眺める母親からは、この家族の再生が予感させられた。
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