東京国際映画祭学生応援団

ローサは密告されたの東京国際映画祭学生応援団のレビュー・感想・評価

ローサは密告された(2016年製作の映画)
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第34回東京国際映画祭まで、あと20日!

今回は、第34回東京国際映画祭のコンペティション部門に選出されている『復讐』のブリランテ・メンドーサ監督の過去作『ローサは密告された』を紹介します!

【レビュー】
フィリピン人のブリランテ・メンドーサ監督が、フィリピンにはびこる、貧困、麻薬、汚職に正面から向き合った作品でした。

舞台はフィリピンの首都マニラにあるスラム街。この街に住むローサは、夫と共に小さな売店を経営する傍ら、こっそりと麻薬の売買をすることで子供4人を養っていた。
しかし、そんなある日その秘密を警察に密告されてしまい逮捕されてしまう。警察署で取り調べを受ける夫婦は、釈放する代わりに薬と大金を渡せと要求される。ローサはその要求に応じるほかなく、自分の子供たちに街でお金を集めてくるように頼み...。

映画全編を通して、フィリピンのスラム街がいかに貧困と薬物が蔓延し、無法地帯になっているのかがものすごく伝わってきました。
手持ちカメラを多用した映像はスラム街のリアルを切り取り、これが現実だと言わんばかりに観客に肉薄してきます。

主人公のローサは悪びれる様子もなく薬物を売買していますが、根っからの悪い人のようには全く見えませんでした。むしろ、家族を大切に思い、家族のためならなんでも頑張る、そんな人物です。

だからこそ、なんとか家族を養うために、貧困から抜け出すために、薬物を売買することでお金を稼ぐようになってしまったのだと思います。いかに、貧困と薬物が密接に関わっているのかが伝わってきました。

さらに、警察たちは自分たちの特権を利用して、薬物に染まったスラムの人々を捕まえてはお金を要求し、私腹を肥やしています。そんな腐りきった警察の姿を見て啞然としていまいました。

この映画のラストシーンはとても印象的なものでした!主人公ローサ役を演じたジャクリン・ホセが見せる演技には、家族を思う母の、そしてフィリピンの今に悲嘆する思いが強く伝わってきました。

東京国際映画祭で上映されるメンドーサ監督の新作『復讐』もとても楽しみになりました😆

《鑑賞者: たくみ》

今後も東京国際映画祭に絡んだ作品を紹介していきますので、どうぞご覧ください。

🎥第34回東京国際映画祭
 |開催期間:10/30(土)〜11/8(月)
 |場所:日比谷・有楽町・銀座地区  
 |チケット一般販売開始日:10/23(土)

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