サマータイムブルース

お嬢さんのサマータイムブルースのレビュー・感想・評価

お嬢さん(2016年製作の映画)
3.9
毒のある作品
見る人を選びそう
私は楽しめたクチですけど

1939年、日本統治下の朝鮮半島
莫大な遺産を相続した若きお嬢さまである日本人の和泉秀子(キム・ミニさん)から、藤原伯爵←実は詐欺師(ハ・ジョンウさん)と、その仲間のナム・スッキ/日本名珠子(キム・テリさん)が、財産を奪い取ろうと詐欺を画策するお話
その後、話は2転、3転します
ストーリーは3部構成になっていて、それぞれ視点が異なるユニークな設定

舞台が上流階級なので、お屋敷や、手入れされた広大な庭、衣装、装飾品、言葉遣い、所作まで全てが限りなくお上品
特に秀子からは世間知らずで、若く、美しく、気高さを感じました
だけど、ホントはクレヨンしんちゃんもびっくりのお下品な映画でした

お気に入りのシーン

藤原伯爵から、秀子に伝言を伝えに、侍女が部屋を尋ねるシーン
「藤原伯爵様が秀子お嬢様の小間使いの珠子を伯爵様のお部屋へちょっと寄越していただけないかとお嬢様にお尋ねでございます」
文字にすると句読点を入れる間もないくらい早口で、さらに棒読みで捲し立てるの笑ってしまいました

あと、秀子が庭の木にロープを括って首を吊ろうとしてるとこ、思わず、スッキが下で支えてことなきを得るのですが、スッキが自分達の策略を告白すると、秀子も実はさらに上の策略を企てていたのだと告白して、驚いたスッキが足を離すシーン
「最低のゲス野郎!!」と叫ぶスッキ
秀子の足はぶらーん、ぶらーん
爆笑!!

コミカル要素が散りばめられてるとこホント好き
マ◯コとか、チ◯コとか、邦画では決して言えない禁句を連発してたのも印象的でした

しっかし、華族の男達って金を持て余して、ホント暇なのね、なに、あの、朗読の会
みんな変態でしょ
秀子には同情しかない

秀子が入浴中に歯が尖って口の中の肉を切ると訴えて、スッキが歯を削るシーン、すっごいエロい
後半、激しいレズシーンもあります
歯を削った後、うがいしなくていいのか少し気になりました

第1部が終わった時、頭の中は???てなりましたが、その後の展開に納得
途中から秀子とスッキに感情移入していたので、後半の展開はスッキリ!!

最後に、あの地下室怖い
スペインのカルロス・ベルムト監督の「マジカル・ガール」に出て来た蜥蜴部屋を思い出しました

鈴って、ああいう使い方もあるんだ!なんだかとっても楽しそう♡